うつ病・パニック障害の専業主婦が考えていること

病歴10年以上の専業主婦が、もがきながらなんとか病気と向き合っている日々を、気が向いたときになんとなく書いているブログ

 

躁状態の突っ走り旅行~その6『母の心子知らず』

夜行バスで京都に着いてから、たっくさんの一瞬の出会いがあった。

その中の一つが、金閣寺からの帰りのバスの中で出会った女性。

たまたまバスで隣の席になった。

その女性は、京都市内のバスの路線図を一生懸命眺めてた。

またしても躁状態で人恋しい私は、

『どちらに行くんですか?』

と、声を掛けていた。

当たり前にびっくりした女性は、びっくりしながらも、

『京都駅に行きたいんだけど、このバスでいいのかなって…』

と。

その時点で京都中をくるくる回ってた私は、いっちょまえに、

『こうこうこうだから、こうですよ』

なんて教えてあげて。

そこから話がはずんで、私がうつで求職中で一人旅中なことを話した。

もちろんびっくりされた。

その女性も旅行中で、

『実はね、後ろの席に娘が座ってるの。一緒に座るのイヤがって。』

と、恥ずかしそうに、寂しそうに教えてくれた。

びっくり。

一緒に旅行してるのに、バスの中で一緒に座んないなんて。

ケンカでもしたのかな。

『反抗期っていうのかな。なかなかむずかしくて。』

って。

あ~、私にも覚えがあるよ。

あの時期は親がうざったくてたまらなかった。

でも、こんなに優しそうなお母さんなのに。

なんて考えて、つい、

『私にもそういう時期ありましたよ。

あまりにも憎くて、これ以上嫌いになりたくないから、事故で死んじゃえばいいのにって考えてました。』

って話した。

そうだった。

そんなこと考えてた時期があったんだ。

本気で。

『今では母がいてくれてホントに良かったって思ってます。

だから、娘さんも、今はこうでもいつかきっとわかってくれますよ。』

って、願いも込めて話した。

そのお母さん、泣いちゃった。

よっぽど張りつめてたんだな。

そうだよな、母親業もしんどいよな。

ありとあらゆる言葉でせめたてられたり、

一生懸命やってることも当たり前だと思われて感謝もされなくて。

バスで隣に座ってもくれなくて。

見ず知らずの私の、かなりありきたりな励ましの言葉で泣いちゃって。

私の母も、こんなふうに張りつめてたんだろうな。

なんか、、、ごめんね。

なんて二人でしんみりしてたら、そのお母さんが降りる停留所に着いた。

『ありがとう』

って言われた。

こちらこそありがとう。

そのお母さんを見送ってたら、中学生くらいの女の子が私に頭を下げてきた。

ちょっと微笑んでた。

この子かぁ、娘さん。

私も頭を下げた。

なんだ、素直そうな子じゃん。

そのまま降りてくこともできたのに、わざわざあいさつしてくれた。

きっと後ろから、私とお母さんが話してるのを見てたんだろうな。

そうそう、そうやってお母さんの後ろ姿を見て、子どもは育ってくんだよね。

あんなに優しそうで一生懸命なお母さんに、こんなに素直な娘さんなら、いつかきっと向かい合うことができるね。

もう少しのしんぼうだね。

私の母も、ずっとしんぼうしてくれてたんだろうな。

ありがたいな。

なんて、このほんの一緒の出会いで、母親のしんどさを少しだけど知って、ありがたさをすごく思い出させてもらえた。

そして、この記事を書いている今、それをまた思い出すことができてる。

この縁に感謝。


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