『できたことノート』を付ける
私は、できなかったこと探しの名人だった。
『掃除できてない』
『お風呂入れなかった』
『茶碗洗ってない』
『病院行けなかった』
いくらでも探せたし、
いくらでも出てきた。
というか、できないことだらけだった。
そんな毎日の様子を、診察のたびに主治医に話していた。
主治医は一つの提案をしてきた。
これが大成功で、
これをやったことが今の私にかなり大きな影響を与えている。
これをやっていなかったら、
今の私は何も変わっていなかったんじゃないか、
というくらい。
大げさかもしれないけど。
『できたことノート』を付けてみる。
とにかく、ひたすら、できたことだけを書くノート。
どんなに小さなことでも、
他の人が普通にやってるように見えることも、
ひたすら書く。
ポイントは、
『~できた』
という形で書く、だけ。
『歯磨けた』
『コンビニ行けた』
『友達からの誘いを断れた』
『親からの電話に出れた』
『本読めた』
『DVD見れた』
とにかくなんでもかんでも『できたこと』にする。
だって、なんでもかんでも『できたこと』にしないと、、、
書くことがない日が出てくるんだもん。
1日の終わりにでも、何日かまとめてでも、
思い出してひたすら書く。
これをやることで良いことが2つ。
①ノートに思い出して書くから、『できたこと』を覚えておくために、『できたこと』に目が向く。
②診察の日に主治医に見せるから、私の毎日の様子が主治医に伝わる。
これを私は、約2年、ほぼ毎日続けた。
1行の日もあれば、10行の日もあった。
1行が一週間続くときもあれば、5~6行が4日間続くときもあった。
読み返すとそのときのリズムがわかった。
『あ~、1行が続いてるのは、日曜日に友達に会ったからだな。疲れてるんだ。
じゃあ、しばらくのんびりしよ。1行続くのも無理はない。』
『あ、また5行が続くようになった。やっぱり1行が永遠に続くわけじゃないよね。
じゃあ、1行が続いても焦ることないか。』
とか、振り返ることもできたし、1行を認めてあげることもできるようになった。
私は病院に持って行きやすいように、B5のノート。
一冊目のNo.1から始まって、気付けばNo.6になってた。
今では大切な大切なノート。
努力の詰まったノート。
できたこと探しの名人になる修行は今も続いてる。